社宅制度を用いると税務上有利であると聞いたのですが教えて下さい

社宅制度を用いた場合、その社宅を利用する役員や従業員の所得税額が低くなります。
まず、会社が貸主と賃貸借契約を締結します。
会社が契約する以上、敷金や礼金に関しても会社が負担する事になります。
敷金は将来的に返還されますので資産計上を行いますが、礼金は返還されませんので損金計上を行う事が可能です。

その後、家賃のうち、役員・従業員が負担すべき金額を決定します。
その際、その負担すべき金額は家賃の50%以上の金額にするようにして下さい。
このように決定した金額を役員・従業員に給与を支払う際、給与天引きを行います。
そうしますと、その天引き金額に関しては、源泉徴収を行う必要がなく、所得税が発生しません。

また、社宅制度の代わりに、住宅手当を支給する場合はどのようになるかと言いますと…。
役員・従業員が貸主と賃貸借契約を締結し、会社が一部の金額を住宅手当として支給することになります。
この場合、住宅手当として支給した金額は給与と取り扱われ、源泉徴収が行われ、所得税が発生する事になります。

以上のように、社宅制度を用いた方が、住宅手当を支給するよりも、所得税法上は有利になります。
ですが、社宅制度を持ちいますと、会社が敷金や礼金を負担するため、会社の資金繰りとしては住宅手当の方が有利になります。
そのため、両者の違いをよく理解し、選択する必要があります。
もちろん、1人で運営している会社の場合は、トータルで考えると社宅制度を利用した方が有利ということになるかと思います。