短期前払費用の特例があると聞いたのですが教えて下さい

翌期に財貨又はサービスの提供の受領を受ける場合、当期にその対価を事前に支払う金銭は前払費用となります。
この場合、前払費用は流動資産になりますので、会計上費用となりえず、税務上は当期の損金として計上できません。
ところが、ある条件を満たしますと、内容的には前払費用であっても、当期の損金とすることができます。
これを、短期前払費用の特例と言います。

短期前払費用を利用するためには、以下の条件を全て満たす必要があります。

支払った日から1年以内に役務提供を受ける
継続的な支払いを前提条件とする(次回以降も同様のタイミングで同様の支払い行う)」
企業会計上の重要性の原則の範囲内である(あまりにも多額なものに関しては否認される可能性があります)」

良く例で挙げられるのは、家賃です。
通常、家賃は翌月分を当月に支払いますが、翌月以降の1年分を当月に支払い、翌年以降も同様の支払いにした場合、短期前払費用の特例が利用できます。
ただし、この場合、必ず、賃貸契約書にその旨記載する必要があります。
つまり、一方的に1年分を前払するということでは認められず、双方の合意がある中での支払いを行わなければいけません。
また、上述している通り、企業規模や取引規模と比較して、1年分の家賃があまりにも多額ですと、否認される可能性がありますのでご注意ください。