不動産投資におけるデッドクロスについて教えて下さい

デッドクロスとは不動産投資を行うことによって発生する税引前キャッシュフローがマイナスであるにも関わらず、不動産所得がプラスになってしまい、税金を納めなければならない事を言います。

デッドクロスを理解するためには、税引前キャッシュフローと不動産所得が別物であるということを理解しなければいけません。
もちろん、これらの間には関係がありまして、大まかに、以下の公式が成り立ちます。

不動産所得=税引前キャッシュフロー - 減価償却費 + 元本返済額

税引前キャッシュフローとは、文字通り、所得税もしくは法人税を支払う前のキャッシュフローです。
すなわち、不動産投資を行う事によって得られる純額の現金及び預金のことです。
また、元本返済額とは、借入を行なった場合の元本部分の返済額であり、利息部分は含まれません。

上記の公式のうち、減価償却方法を定率法にしていた場合、減価償却費は毎年減少していきます。
一方、借入を元利均等返済にしていた場合、元本返済額は毎年増加していきます。
具体的な数値を入れて計算して頂ければ分かりますが、年数が経過するに従って、仮に税引前キャッシュフローがマイナスであっても、不動産所得がプラスになる時期が訪れます。

デッドクロスが発生するとどうなるか?ですが、簡単に言いますと、キャッシュの持ち出しが発生します。
他の事業を行っているのであれば、そちらで補填できますが、行っていなければ自己資金で対応するしかありません。
そのため、不動産投資を始める場合は、所得のシミュレーションだけでなく、必ずキャッシュフローのシミュレーションを行うようにして下さい。