1棟物にしようか区分所有にしようか迷っているのですが選択方法について教えて下さい

1棟物と区分所有についての画一的な選択方法は残念ながら存在しないと思います。
何故ならば、その方の資産状況、今後の資産運用戦略、また好みによって異なるためです。
そこで、ここでは税金的な側面からお話ししたいと思います。

1棟物の場合、不動産所得を考えますと、初年度に関してはマイナスになりますが、翌年、さらに翌々年あたりからプラスになります。
これは、元々、1棟物への投資は規模の利益が働くためです。
当然、部屋数が多ければ多いほど、プラス額は増えて行きます。
もちろん、賃料設定と空室対策をしっかり行う事が前提です。

一方、区分所有の場合、初年度は1棟物と同じ理論でマイナスになります。
しかし、その後も引き続き、マイナスになることが多いかと思います。
これは、1棟物と異なり、規模の利益が働かないためです。

以上を考えますと、1棟物は不動産所得がプラスになり、区分所有は不動産所得がマイナスになりますので、1棟物の方が得をするように思えます。
事実、キャッシュフローを大きく増やしたい場合は、1棟物の投資を行った方が良いでしょう。
ですが、税金面を考えますと、不動産所得がプラスになるということはそれだけ税金が発生するという事です。

一方、不動産所得がマイナスの場合、例えば給与所得と損益通算を行う事ができ、給与受給時に徴収された源泉所得税の還付を受ける事ができます。
特に、給与所得が高額な場合、所得税率も高いため、源泉所得税の還付金額も多くなります。
そのため、特に、高額給与所得者にとって、区分所有投資税金上のメリットが大きいと言う事ができます。