個人事業主に給与という概念はありますか?

個人事業主に給与という概念はありません。
従業員と個人事業主の課税方法の違いを考えてみましょう。

まず、従業員の場合ですが、支給される給与から給与所得控除というものを差し引いた給与所得というものに課税されます。

一方、個人事業主の場合ですが、事業所得というものに課税されます。
ここで、事業所得とは、総収入金額から必要経費を差し引いたものになります。
また、総収入金額とは簡単に言いますと、売上の事でして、必要経費とは同様に売上原価や販売費及び一般管理費の事です。
ただし、ここで注意すべき点は、自分自身に対する給与は含まれないという事です。
すなわち、個人事業主の場合、大方、会社で言うところの役員報酬を無報酬にした営業利益相当額が事業所得に相当するわけです。

また、会社には利益剰余金というものがありますが、個人事業主には同様の概念はありません。
(利益剰余金とは、1期間に得た利益を累積したものから、1期間に失った損失と株主に対して分配した利益を差し引いたものの事です)
これは、会社は株主のものであるため、利益を貯蓄したり分配したりする選択肢があるのですが、個人事業主の利益は本人に帰属するため、毎年分配してしまうからです。