元入金・事業主借・事業主貸の勘定科目について簡単に教えて下さい

個人事業の場合、株式会社のような資本金や利益剰余金といった純資産の部の勘定科目は存在しません。
その代わりに利用するのが、「元入金・事業主借・事業主貸」といった勘定科目です。

まず、事業を開始するにあたって、事業用の資金と日常生活用の資金を分けるようにして下さい。
分かりやすいように事業用の口座を開設すると良いかと思います。
その際、事業用として、まず、100万円を口座に入金した場合、以下の仕訳が発生します。

普通預金 100万円 / 元入金 100万円

次に、事業を継続していくと、当然、その稼ぎの中から日常生活用のお金を引き出す必要があります。
株式会社を設立しているのであれば、これは役員報酬になりますし、従業員であれば給与になるものです。
これを上記の事業用口座から、仮に50万円出金した場合、以下の仕訳が発生します。

事業主貸 50万円 / 普通預金 50万円

逆に事業を継続していくにつれ、事業用資金が足りない場合、日常生活用のお金から、上記の口座に70万円入金した場合、以下の仕訳が発生します。

普通預金 70万円 / 事業主借 70万円

個人事業の会計期間は、1月1日~12月31日までですので、12月31日を終えた段階で、仮に控除前所得が30万円とした場合、以下の仕訳が発生します。

事業主借     70万円 / 事業主貸   50万円
税引前当期純利益 30万円 / 元利金    50万円


事業主貸・事業主借・控除前所得の貸借差額を元利金という勘定科目に振り替えます。
すなわち、元利金という勘定科目は、株式会社でいうところの「資本金+利益剰余金」に似たような内容になります。